(ーーーーっ?!)

(ーーー今まで…寝ちゃってた…?
少し…息苦しい…ような)



泉歩は周囲を見渡した。
知らない場所。少しジメっとしていて・・・

薄暗い部屋で蝋燭がユラユラと揺れていた。



(えっ…?)



まだ自分の現状を理解しきれず、辺りをゆっくり確認し必死に思い出そうとするが、頭に軽い痛みが走る。



(思い出せ…思い出せ…

夏祭り……と、トシくん!!)



思い出し、勢いよく体を起し 気づいたーーー



(え?…………………アタシ?)



蝋燭の前で瞳を閉じ横たわっているのは、紛れもない自分だった。

どう考えても・・・おかしいーー

泉歩は立ち上がったのだから、横たわってなどいるはずがない。



(アタシってば夢みてる…)



いつの日だかこう思ったことがある。

夢の中で夢だと認識してみたい
夢の中で夢を味わいたい

ーーーーーと。



(幽体離脱ってやつ?)



恐る恐る手を伸ばし、目の前の" 触れられない "自分を触るーーー

その途端に思い出す 鈍い音 。



(あぁーーー 夢じゃない …

アタシ死んだのか)