皆が上を見上げる中

ほんの数秒のキスを交わした後

離れた。


花火のスポットライトを浴びながら

彼女の顔は

涙でぐしゃぐしゃだった…


「…行くね」


そう言い残して走り去る君を

ただ見つめ

キスの意味と涙の意味を

考える事に必死だった





花火は

僕の背中に向けて

夏の最後の大きな花を咲かせていた…