「…隣いい?」
その女性はもう一度そう言うと
ちょっと大きめのブルーシートの
空いてる方を指差した。
「…どうぞ」
何年振りかに見る彼女に
来ないと思っていた彼女に
ビックリしたのと同時に
指差す左手の薬指に
光輝く指輪が見えて動揺した。
クスクス笑いながら隣に腰を降ろす。
綺麗だね
上を向いてそういう彼女は
本当に綺麗だった。
何を話したか分からない…
昔の事、今の仕事や職場の事
ただ、たわいもない会話のやり取りだった。
色んな事聞きたいのに
口がそれを許さなかった…
二人の間にぽっかり空いた距離が
それを許さなかった…