花火はとどこうりなく進み
久々に見る地元の花火に
年甲斐もなく見とれていた。

辺りはすっかり暗くなり
人の顔もうっすらと

子供のはしゃぐ声
花火の上がる音に合わせて
たまや~の声が
風に揺れる桜の葉の音色と共に
自分を昔に戻してくれていた。


ドーン!


大きな花火が上がると同時に
辺りが明るくなる。

上を向き続ける横目に
人影が見えた。


「…隣いい?」


一瞬の明かりの後
また薄暗い世界が広がる。

顔を横に向ける。


ドーン!


そこには見覚えのある女性が立っていた…