花火開始まであと30分。

使い古した箸を置き
両手を合わせる。

「ごちそうさま」

誰に言ったわけでもなく
自然と口をつく。

残ってたビールをゴクゴクっと飲み干し
ふぅーっと一息


何で別れたんだっけ?


既に暗くなり始めた縁側に出て
吸い慣れた煙草に火をつける。

変わらない縁側からの風景に
目を細目ながら
オレンジに光る火種越しに屋台の灯りを
ぼんやりと眺めていた。