「沙也加ちゃーん!」
そう私を呼ぶのは恵美利の彼氏である拓馬君だ。

「ごめんね!恵美利が無理にカラオケ誘ったみたいで!沙也加ちゃんそういうの苦手でしょ?」

拓馬君はいつも私のことを分かってくれている。
拓馬君が私の彼氏だったら良かったのになんてことをたまに思ったりする。

「正直、最初は行きたくないなと思ったよ。…ただ何かあの人、気になるの!だから会ってみたい!」
自分でもこんな事言い出すなんてビックリした。
私は自分でも分からないような本音を拓馬君の前ではべらべら喋り出す。

「沙也加ちゃんがそういうならいいけど、陸叶はいい奴だから会ってみる価値あると思うよ!」