ある日、急に別れを告げられた。 始めたのも薫で、終わらせたのも薫だった。 何もかもが急だったけれど、私は哀しみを顔には出さなかった。 別れることは悲しくなかった。 別れ話の最中、薫が終始苦しそうな顔をしていたことが悲しかった。 ああ、私には頼ってくれないのだと。 せめてよい彼女ができて、薫が幸せになればいいと、思った。 その時はじめて、胸がチクチクした。