心配といえば心配で。
不安といえば不安で。
でも私が心配してもどうにもならないからといって、安心になれるわけでもなくて。
そんなやるせない気持ちを抑えようと、翌日の土曜日は気晴らしにゆずとショッピングに出掛けることになった。
ゆずに"出掛けよう?"と電話すると、ゆずは"私も今誘おうと思った"と言ってくれた。
「菊哉たち何処にいるんだろうね?」
街中を歩いてると、さっき買ったクレープをゆずが食べながら、いきなり話題を振ってきた。
いきなり話しづらい話題を振らなくてもいいのに……とゆずを睨みつつ、話を逸らした。
さすがに、気晴らしで来た買い物なのに、結局その話題になったら気晴らしの意味がない。
「…あ!あ、あれ見て!あの携帯めっちゃ可愛くない?!」
「ほんとだー!可愛い!………てか、今話逸らしたでしょ」
しかし逸らした話題は、口の周りをクレープのクリームだらけにしてるゆずによって元に戻された。
「別に話せとは思わないよ?でもさぁ?どんな事で集まってんのかぐらいは話してくれてもよくない?」
「…」
「だいたい、こっちが何も心配しないで待ってるって思ってんのか知らないけどさぁ」
「…」
「心配しなくていいよの一言くらい言ってから集まりに行けばよくない?」
私もゆずもクレープを食べ終わり包んであった紙をゴミ箱に捨ててる間に、
ゆずは一気に菊哉に対する不満を吐き出した。
不満というか、悪口を。
でも、私は正直言って安心した。
ゆずも何だかんだ言って、菊哉のことを心配してたからかもしれない。
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