それから大人しく待ってようと決めてから4日が経った。

それはそれは長くて。

つまんない4日間だった。



あんなに付き合ってから葵と話さなかったのは初めてで、改めて葵という存在の大きさを知った4日間だった。



ゆずは慣れてるのか知らないけど菊哉のことを心配してる素振りは見られなかった。


むしろ私の方がサバサバして心配しなさそうなタイプなのに

私の方が心配して、ゆずは菊哉の名前を一度も言わないくらい心配してないようだった。




「あーあ…、何か長かったなぁ」




金曜の帰りのホームルームが終わり、近付いてくるゆずに向かってそう呟いた。

私が大人しく待ってると決めたはずが、結局最後には心配しちゃって、やっと言えた言葉なのに




「ん?そう?」




ゆずは『ん?そう?』の平然とした普通の一言で片付けやがった。

こいつー!!って思った。

だってさ、



「寂しくないの?!」

「うん」

「4日話してないんだよ?!」

「うん」

「菊哉のことだよ?!」

「それなら尚更」




こ、こ、こ、こいつ

―……なんて恐ろしい!!

何でこんな淡々と“うんうん”頷いていられるのかが今の私には分からない。



私なんか、寂しいのに。

明日は土曜日だから、いつもなら葵が私の家に泊まりにくるけど、今日は来れない。


だから、1人の土曜日を過ごすのも何ヶ月ぶりなんだろうと振り返ってみたりした。


休日に1人のベッドで寝るのは何ヶ月ぶりなんだろうと振り返ったりした。


でもそう考えると、私は葵と付き合ってから葵と一緒にいない時間が本当に殆どだったんだなって思う。


そう思うと、とても葵が恋しくなった。




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