それから葵と菊哉は朝のホームルームだけ来て、その後の授業は全部サボった。


帰りのホームルームも来ることはなくて、席が窓側だった私は菊哉の自転車を二ケツしてる2人を見つけた。


でも見たところ、いつもみたいに楽しそうではなかった。



やっぱり何かあったんだろうか。

これから何かあるんだろうか。

葵と菊哉は危ないんだろうか。



帰りのホームルームは葵たちの事が心配すぎて、先生の話なんか耳に入んなかった。




「美鈴、今日は久々に二ケツしよ?帰りにパフェも食べてこうよ」


「あ…、うん」


「てかさ、最近あそこの店2人で行ってないよねー。何ヶ月ぶりくらい?」


「んー…、3ヶ月ぶりくらいじゃない?前は一週間に一回くらいの勢いで言ってたのにね」


「そうそう!あたしなんか太っちゃって!………美鈴、大丈夫?」




下駄箱に着いた瞬間、靴を取り出す最中の私を心配そうに見つめながらゆずがそう言った。



私は突然、パフェの話題から私の話題に振られた驚きの余り、

口をポカーンと開けることしか出来なかった。




「ははっ、美鈴は心配し過ぎなんだよ。葵と菊哉なら平気だよ」




口をポカーンと開けることしか出来なかったけど、心配な気持ちが少し減ったような気がした。




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