と、そこで。



「なに…してるの?」


という、低い声が。




後ろを振り向くと、やはり秋也くん。


「ち、違うの秋也くん!」



そして始まる取り繕う声。



全員が秋也くんに向いていたからまりなちゃんが薄く笑ったことになんて気がつかない。




「これさ…どうみてもまりなを苛めてるようにしか見えないんだけど。」



そう吐き捨てたあと、秋也くんがまりなちゃんに近づく。




「まりな…どこか、痛いとこある?」


優しく微笑んで、まりなちゃんに聞く。



まぁ、暴力ははふってないし、言うとしたら心が痛い、か(笑)




そう思ってたら。



「お腹…殴られた…

それから…ここ…頬、殴られたの……。」



一同、騒然。




え…それ、自分で叩いたやつ……


そういう声が上がる。



けど、秋也くんは。




「女の子ならさ、体を傷つけられるのってすっごい嫌なの分かんないの?


お腹は殴る、頬は叩く…。


最低だね、君たち。」



いやー…お腹のほうは嘘だし、頬は自分なんですけど…。



戸惑いながら、誰かが告げる。