「でもさ。」

その反対の声に、みんなが私を見る。



「確かにまりなちゃんに集団で罵声を浴びせてた。


それは、しちゃいけないし、言葉の暴力ってことで、分かる。


それが責められるのは、すっごい分かる。



けど、ないことを責められるのは違う。


頬は自分で叩いた。


お腹なんて、殴ってない。


だから、お腹に殴られた跡はない。

頬は、確かめようがないよね。


ここにいたまりなちゃん以外の女子は叩いてないって断言できるけど。


秋也くんはそれを信じないもんね。


まりなちゃんの言うことが正しいから。


苛められてたまりなちゃんのほうが、正しく聞こえるから。


苛めてた私たちは少しでも罪を軽くしようとして、まりなに押し付けてる…。


そう思ってるんじゃない?



ともあれ、こういう事態を招いたのは、秋也くん、君だよ。



もう少し私たちを見ていれば、お遊びなんかで、一夜限りの偽りの愛情を囁かなければ。




私たちが勘違いすることもなかったのにね?



完全なこじつけに見えるかな?



でも、秋也くんが私たちを抱かなければ、こんなに思いきったことなんて、しなかったよ。


ごめんね。」