私は両親に見つからないように



裏口からこっそり抜け出し、廃校舎に向かった。



な、なんかデートみたいに緊張してるけど、



廃校舎で怖いことするんだよね…。



辺りを見渡すと、夏だから真っ暗と



いうわけではないけど、十分に暗い。



こんなことなら菜摘と一緒に待ち合わせすればよかったな…。



改めて後悔をする。



10分ほど歩くと、廃校舎が見えてきた。



校門に誰かいる…?



夜なため「おーい!!」と呼ぶことも



できないため、校門まで走った。



「あっ、未来と遠山さん!!」



「久しぶりだね!!」



未来がニッコリと笑いながら言う。



そうそう、この笑顔全く変わらない。



「遠山さんもよろしくね!!」



私はフレンドリーに言うが、



「…こちらこそ」



と言う返事しか返ってこなかった。



私服を見ると、未来はショーパンにTシャツ。



遠山さんは長ズボンにTシャツを着ている。



な、なんか私だけ気合入れたみたいに見える。