「にじゅうきゅうー、さんじゅーう!!」



顔を上げ、辺りを見渡す。



そして時計を見ると、19時ちょうど。



鬼ごっこの始まりだ。



まずは教室などの隠れる場所が一番多い二階から見てみよう。



それに最初、皆階段を登ったから、一階にいる可能性は低いと思うし。



しばらく教室を見たりするが、人のいる気配が全くしない。



「うぅ…っ。先帰っちゃったとかないよね…? もう、何で負けちゃったのかな…」



私はひとりボツボツ言いながら歩く。



せめて誰かいることが分かれば…。



そんなことを思っていた時、



後ろからタッタッーと言う足音が聞こえた。