そして数分後。
「遅れてごめ〜ん!!」
と言う菜摘の声が聞こえた。
遼も一緒だ。
菜摘から廃校舎までの道のりに、
遼の家があるからたまたまあったのかな?
それか遼が菜摘と行くために待ってた…?
なんて考えが頭によぎる。
「お前が道に迷うからだぞ?」
遼が菜摘を指さしながら言う。
「ちょーっと!! 遼だって間違えてたくせに!!」
「な…っ!! お前の方が間違いが多い!!」
なんと喧嘩が始まってしまった。
「おー!! 夫婦ゲンカか?」
落合くんが茶化すと、「ちがーう!!」と2人一緒に否定をする。
仲いいんだか、悪いんだかーー。
けど、そんな2人の関係が羨ましくも思った。
チラリと高林くんを見ると、
遼と菜摘を見ながら笑っていた。
キュンーー。
と胸が高鳴るのが分かった。