「お前なあ、俺の都合はお構いなしか」


肩で大きく息をする大和を前に、永田 将人(ながた まさと)は深いため息をついていた。


「大丈夫だ!たったの一週間なんだから問題ない」

「なんの根拠があるんだよ!」


グッと親指を立てて笑う大和を一喝するも、一向に堪えた様子はない。


「大体、早希だってまだ休みが取れるかどうかわかんないだろ」

「大丈夫だ、なんとかなる」

「…だからそれ、根拠がないだろ」


妙に自信満々な大和との不毛な会話に疲れを感じながら、将人は仕方なく携帯のカレンダーを開いて予定を確認する。


「いつ行くんだ?」

「最後の週だ!一ヶ月の締めくくりに皆でドライブ旅行、最高だろ?」


ニカッと笑った大和にため息を返して、カレンダーに予定を打ち込む。