「いよっしゃあ!絶好のドライブ日和だな、将人は雨男だから心配してたんだよ」
「適当なこと言うな!」
あっという間にやって来た出発の日、前日までぐずついていた天気が嘘のようにすっきりとした青空が広がっていた。
「忘れ物、ないんだろうな?途中まで行って戻ってくるなんて間抜けなことしたくないからな」
車に荷物を積み込みながら、将人は早々と運転席に収まる大和を睨みつける。
「三日前から毎日、朝、昼、晩と三回も確認したから大丈夫だ!」
バックミラーを調節しながらニカッと大和が笑う。
「…お前なあ」
呆れ顔でため息をつく将人の横をすり抜けて、早希も後部座席に荷物と共に乗り込む。
「言っても無駄、どうせバカだし」
「確かに…」と諦めたように頷き返す将人も、最後にもう一度荷物を確認してドアを閉めると、助手席に乗り込む。