「これといって異常なし…レトルトカレーを食べた…あとは……」
しばらく悩んだ末に、最後にもう一文付け加える。
「相変わらずあのバカ兄貴は、味噌汁作るのだけはうまい……」
何度か文面を読み返して、最後の一文をどうするか再度悩んだが結局そのまま送信ボタンを押す。
“送信完了”の文字を眺めながら、やっぱり消しておけばよかったかも…と往生際悪く悩んで仰向けに転がる。
携帯を掲げた体制のまま、諦めて三件目のメールを開くと、最後のメールは将人からだった。
“大和のバカがまた突然アホは計画立てたみたいで、お前も大変だな。
あいつが考えたってのがシャクだけど、正直すごく楽しみだ。
お母さんの変わりに俺っていうのは不本意かもしれないが、誘ってくれてありがとう。
それと…近々妹が増える予定だ、良かったらまた遊びに来い“
何てことないようにさらりと付け加えられた一文に、早希は思わず小さく声を漏らす。