「男か?それとも女?」
何がそんなに嬉しいのか、目をキラキラと輝かせる大和を横目に将人はさっさと店の入口に向かう。
のれんを片手で押し上げて振り返ると、大和がまだキラキラした目でこちらを見つめていた。
「多分、女だってさ」
「そうか…そうか、女の子か」
頬を緩ませて最高潮にだらしない顔を晒している大和を残してのれんをくぐると、「マサ!」と背中に呼びかける声が聞こえた。
仕方なくもう一度振り返れば、幸せそうな顔で笑う大和の姿が目に入った。
「おめでとう」
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