低く少し掠れた甘い声が鼓膜を振るわせる。



「……俺だって、ドキドキしてんだよ」



「え……?」



「聞いてみろよ、心臓の音」



雨にそう言われ、耳を雨の心臓に近づけると早く大きな音で鳴っていた。



「っ……!それって、雨もドキドキしてるって事ですか?」



「いつもしてるよ、バーカ。
んなの、今日の。上目使いとか、反則だし。キスだって、いきなりするし。
理性効かなくなるっつーの」