うぅ、こうなったら奥の手だ! 「……雨!」 雨がこちらを向いた瞬間、ネクタイを引っ張り雨の唇に自分の唇を押し付ける。 「……っ!……茉林!!」 唇を離した瞬間、グイグイ引っ張られる手。 雨の表情は、見えなくて。 ……やっぱり、ドキドキしてないのかな? 「……ちょっとぐらいドキドキしてくれたって良いじゃん」 唇を尖らせながらポツリとそう溢した言葉は、雨にバッチリ聞こえていたみたいで、