寧音さんのこんな顔見た事ない…。



「日向がパリ行ってから夜寝れなくてキツい…。」

「今寝なよ!!見ててあげる!!」

「マジ!?英梨は神だね…。」



オムツとミルクくらいなら寧音さんの手伝いでやったし、瑛太が赤ちゃんの頃に帰省中にした事あるから大丈夫だと思う!!



でも蒼君は露骨にイヤな顔…。



「俺ムリだからな…。」

「なんで!?」

「壊れそう…。」



はははっ!!



また蒼君の苦手なのを発見した!!



そして寧音さんから預かった双子チャン達。



日に日に可愛くなる~!!



「涼司さん、タバコ吸うなら別の部屋かバルコニーに出てよ。」

「うは~い。」



またゲームをしだした涼司さん…。



ヒマなんだね…。



「ただい…。寧音は!?」

「おかえり悠陽君。寧音さんは寝てるよ?」

「俺ムリだからな!!」



こんな赤ちゃんにビビる男達がちょっと笑える…。



双子チャンはただ寝てるか泣くか。



なんだかんだ言って蒼君がミルクを作ってくれた。



「あれ?寧音は?」

「お疲れだったから寝てるよ。蓮さん、愛芽チャンにミルクやって。」

「了解。」



さすが蓮さん。



日向さんと蒼君と悠陽君と莉里チャンの育児を手伝って来ただけある…。



あたしの手から愛芽チャンをパッと取ってソファに座ってミルクをあげはじめた。



おじいちゃんだ!!



「うま~い?ってかカワイイなお前~!!でも亜香里の次にな?」



ベタ惚れ?



いつもの蓮さんからは想像出来ない…。



日向さんがいない時は蓮さんが双子チャン達のお風呂係なんだもんね~…。



人は見かけによらない…。



「蓮司君、何回やってもこれクリア出来ね~…。」

「バカだなお前。なんの為に攻略本があんだよ。」

「んなもん読むのが邪道だろ。」

「完璧に進むには必須アイテムだ。」



蓮さんって何歳なんだろ…。



気持ちが若い…。



蒼君がご飯を作ってくれて双子チャン達が寝た時に皆で食べた。



「今回の映画ってマジおかま役?」

「まぁ。何か文句あんのかよ。」

「いや?でもマジで涼司君がそんなん引き受けるとは思わなかった。」

「たまには日本の映画に出たいな~と思っただけ。監督嵐さんだし。」

「俺嵐とはやりたくねぇ~…。」



あたしも懲り懲り…。



あの人細か過ぎるんだもん…。



「ただいま!!ご飯残ってる!?」

「亜香里さんお帰り~!!あるよ。」

「お昼食べてないから死にそう~…。」



亜香里さんも毎日朝早くから仕事で大変そうだ。



この家はみんな凄い。



「蒼斗、明日からプロモだろ?」

「超楽しみ!!」



そういえば明日から皆でAQUAのプロモーション撮影って言ってた!!



あたしも撮影見たい~…。



「寧音様復活!!ありがとね英梨!!」

「夜もごはん食べて頑張ってね!!」



あたしも将来はこんな賑やかで楽しい家庭を築けたらいいな!!



【隼人】



俺と莉里の生活は朝が早い。



莉里がとにかく早い。



俺は帰りが遅い。



だから寝てる間に莉里がいなくなってる事が多々ある…。



でも莉里は仕事がない時とある時の差が激しくなった。



琉伊さんがそうしてるんだけど、休みがある方が莉里的にはイイらしい。



「はぁ君メシ~!!」

「う~起きたくない~…。」

「チュウしたら起きる?」

「うん。」



莉里がいる朝は主に莉里が朝ご飯を作ってくれる。



洗濯も莉里がしてくれる。



俺も手伝うけど。



「今からこんなに干すの?」

「うん。天気イイんだもん!!隼人ヒマなら布団干して?」

「了解。」



家事は分担しなきゃ。



でも俺もかなりやってる方だと思う。



昔からやってるから当たり前の事のような気もするし。



全く苦にならない。



俺も久しぶりに1日休み!!



「この前行った動物園の写真プリントしたの!!」

「じゃあアルバムに入れとかなきゃね。」

「もっといっぱい写真撮ろうね!!」

「そうだね~。」



俺の小さい頃の写真がほとんどナイ。



だから思い出は頭の中にしかナイわけで…。



それを知ってから莉里はデジカメを3つも買った。



事あるごとに写真撮りまくり。



俺と莉里の子供の写真もいっぱい撮りたい。



「じゃあ行くよ~。」

「待って!!カギない!!」

「バイク?」

「そう!!ってかバイクがない!?」

「ヒナ君が昨日カギ持ってったけど…。」



徒歩で行けって?



朝から拷問だよ~…。



「車で行く?」

「ダメでしょ…。歩くよ~!!」



まぁたまには歩きもイイかな?



莉里とならなんでもイイけどさ~。



明後日からは新曲のプロモ撮影が入るし。



今日だけはゆっくり出来る!!



「今年はツアーないの?」

「うん。何か悟が俺の喉の心配してる。全く平気なのに。」

「じゃあ何するの?」

「3ヵ所だけドーム回って終わりだから結構ヒマかも。新婚旅行でも行こうか!!」

「うん…。夏は…。」



何!?



まさかズット仕事とか…。



「世界を飛び回る予定なんですよね…。」

「なんで!?」

「ショー、撮影、ショー、撮影、ショー、撮影。」

「日本で仕事は?」

「ないかな?」



うそぉ~…。



じゃあ俺一人でヒマな夏休み!?



「今年は乃彩達いるから旅行もなしい。うん…。仕事ばっかりです。」

「そうですか…。」



まぁ日向さんと寧音さん見てたら覚悟はしてたし。



莉里も世界進出か…。



でもガツンとアメリカに行かないのは俺の為?



「莉里、アメリカ行きたいなら俺に気使わないでよ?」

「莉里が離れられないかな~。隼人のそばで世界を目指すのは無謀でしょうかね?」

「無謀でしょ~。でもその無謀を実現してもらえたら俺も嬉しいですね~。」

「出来るだけそうする。」



俺は大丈夫だよ。



莉里とはどこにいても離れない自信はある。



「今日のパンツ何色?」

「はい!?何で急にそんなこと聞くの!!バカ隼人!!」



だってこれ以上話したら莉里が暗くなりそうだから…。



俺って本当にバカだよね…。



他になんか思いつかなかったのかって感じ…。



「今日の体育もサボる?」

「サボって裏庭でイチャイチャしたい!!」

「それいいね!!」



体育なんてほとんど出たことがない俺と莉里。



無条件に卒業できるしね!!



でも数学をさぼると大変だから数学だけは真面目に出てる…。



「今日は体育の時間がHRになったからな~。」

「なんで!?」

「体育の先生が二人ともいないから自習だったのをもらった。1泊温泉の日にちと行く場所決める。」



さぼれないじゃん…。



でも確か2年生は修学旅行があったはずだよね?



莉里と思い出作りだ!!



「悟、明日って何だっけ?」

「歌。生だからな。」



生かぁ~。



俺達のコラボ曲初披露だっけ。



今回は同時に2枚だから忙しかった~…。



「ねぇ隼人さん、パパリンが仕事依頼したいって言ってたよ?」

「依頼!?モデルの?」

「何かね、莉里との新婚生活風景がほしいって言う雑誌があるらしくて。」



家にカメラが入るって事?



そんなの莉里がOKするわけないじゃん。



「莉里返事したの!?」

「うん?いいよ~って。離れだけの撮影だし。ヒナ君達に迷惑かかんなきゃいいらしい。しかも今回のメインは隼人の私生活だし。」



素の俺と莉里をって事!?



かなり迷うよそれ…。



まぁ家自体は立派過ぎるくらいだから恥ずかしくもなんともないんだけど…。



カメラマンが家に来るの?



俺達の生活なんて面白くもなんともないんだけどな…。



「琉伊さんと相談してみる…。」



俺より天道家本家のが面白いと思います…。



マジどうしよ~…。



「莉里と隼人のラブラブっぷりを見せ付けたら莉里には変な虫も近付かないと思いま~す。」



琉伊さんに相談したらそう言われた。



何かうまく乗せられてる気もするんだけどな…。



「ギャラは弾むから。」



金の問題じゃないですよ…。



でも確かに莉里とのラブラブッぷりをアピール出来るチャンスですよね?



「やる。」

「さすが隼人!!じゃ、お前の事務所にも連絡行くと思うからヨロシクな?」



決まった撮影は話しが進むのが早かった。



俺達の空いてる時間でいいって言うから…。



プロモ撮影が終わってから来る事になった。



「莉里掃除するヒマないからハウスクリーニング入れてイイかな?」

「いいんじゃない?」



奥さんも大変だ…。



俺様と双子達2

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