そしてうちのクラスは1回戦突破!!



「隼人!!勝ったの?」

「勝ったよ!!莉里は?」

「サッカー部揃いのチームになんて勝てるわけないじゃん!!ってことで1回戦敗退…。」

「マジで!?俺ら頑張んなきゃダメじゃね?」

「がんばってね!!温泉がかかってるんだから!!」



悠陽は終わってからどっかに行っちゃったし…。



あたしもラブラブしたいよ~!!



なんて思ってたら後ろから抱き締められた…。



「飲む?」

「うん…。ってか恥ずかしいんだけど…。」

「だって美羽が莉里達見て羨ましそうにしてるんだもん。」

「でも…。」



悠陽がくれた飲みかけの水がやけに冷たく感じる…。




きっとあたしが熱いんだ…。



「美羽ちんと間接キス~!!」

「何でそんなこと言うの!!余計恥ずかしいじゃん!!」

「たまには顔の赤い美羽が見たかったから。」



意地悪悠陽…。



でも好きなんです…。



そのピンクのTシャツも超似あってるんです…。



それからあった体育祭なのにファッションショーは悠陽プロデュースのうちのクラスの男の子が優勝!!



で、総合でもうちのクラスが優勝!!



「1泊~!!」

「今から打ち上げ行く奴~!!」

「「は~い!!」」



あたしは悠チャンと帰ります!!



莉里達は閉会式も出ないで帰ってた。



今から動物園に行くんだって!!



「じゃ、1回赤沢家帰ってからうちに行くぞ!!」

「うん!!」



家に帰ったらパパリンが…。



頭真っ白…。



「何やってんの琉伊君…。」

「違う!!浮気とかじゃねぇからな!?」



パパリンが女の人と抱き合ってた…。



浮気?



ママリンを裏切ったの?



「パパリン最低!!」

「よく見ろよ!!」

「何を見ろって言うの!?」

「これ!!」



これ?



女の人でしょ?



「美羽チャン久しぶり~。」

「涼司クン!?」

「騙された?」

「何やってるの!?」

「日本に来たからサプライズよ~ん。」



本当に人騒がせな…。



それにしても何で女装…。



「悠陽の家に泊まりに行く…。」



そう言ったらパパリンは反対しなかった。



最近忙しいからパパリンも留守にすることが多い。



だから家に一人でいるより安心なんだって。




「日向んとこ行くなら俺も行く!!」

「何で!?」

「今日から天道さんとこにお世話になりますのよ?」

「は!?うちに!?」

「こっちで映画撮ることになったんだけどただホテルとかじゃつまんねぇじゃん?」

「だからって女装してる意味がわかんね…。」

「桜でもビビらせようと思って!!今から寧音をビビらせに行くのさ~!!」




本当に厄介な人…。



でも限りなく女に近いよ…。



っていうか美人だね涼司君…。



それから涼司君の車で天道家に行った。



「久しぶり日向!!超会いたかった!!」

「は!?違う!!俺こいつしらねぇ!!」



勘違いした寧音さんのボディーブローは日向さんに…。



その後は涼司君がかなり怒られてて…。



修羅場だ!!



「今日は飲むぞ悠陽!!誕生日なんだろ!?」

「俺は美羽と!!」

「イイから付き合えよ!!」



今日はお預けだね?



残念でした悠陽!!



でも来年はラブラブしようね!!



【蒼斗】



今日は待ちに待たないダブルデートの日…。



マジやる気でねぇ~…。



「こちらが奏太郎先輩!!で、彼女の…。」

「真奈美です!!」

「真奈美さんです!!で、蒼君です!!」



きまじぃ~…。



先輩とやらはなかなかのイケメン…。



まぁ俳優としてどこまで行くか見物な感じ?



「俺何て呼べばイイかな?」

「蒼斗でイイですよ!!英梨の先輩だし!!」



実際呼び捨てで呼ばれたらイラッと来るけどな。



撮影とかなら『さん』付け必須だろ。



「じゃあ…。蒼斗君って呼ばせてもらうよ。」

「俺は何て呼べば…。」

「奏太郎でイイよ!!」

「じゃあ奏君で…。」

「マジで!?滝川蒼斗と遊べるだけでヤバイのに~!!」



何がヤバイんだよ…。



自分で約束取り付けたくせに…。



まぁそれは言わないけど。



来た所は遊園地…。



観覧車だけは絶対乗らん…。



「蒼斗君超肌キレイだけど何かしてる!?」

「何もしてないですよ!!まんまです!!」

「羨ましい…。」



そんなにキレイでもねえと思うけど…。



まぁメイクいらずだな。



「映画早く見たいんだけどどんな内容なの!?」

「それはお楽しみで!!」



猫被りキツイ…。



早く英梨と二人になりてぇ~…。



「じゃあコーヒーカップ!!」



めんどい…。



流れに任せよう…。



「蒼君…。ごめんね?」

「いや、別に気にしないよ。英梨の先輩だし!!でもコーヒーカップのショットは週刊誌に載りたくねぇな…。」

「猫被らない時は小声なんだね…。」

「ははっ!!回したら気持ち悪くなるかな!?」



あぁ~…。



テンション下がる…。



英梨と普通にデートしたかった…。



せっかく休みなのにこんなのに時間を費やすとは思ってなかったな…。



「マジで夜は覚悟してやがれよ…。」

「久しぶりなドS発言…。」



まぁここ2週間くらいは英梨に甘えまくってたかもな…。



でもイジメなきゃつまらん。



「ここでキスとかしたらどんな反応する気?」

「えっ!?演技しろって!?出来ないから辞めてよ!?」



しちまおうか…。



マジでこの埋め合わせをどうしてもらおう…。



「気持ち悪いよ奏チャン…。」

「回し過ぎたね!!」



仲良しカップルかよ…。



俺と英梨はピュア演じてんのに…。



「ジェットコースター乗る!!」

「あたし嫌だ~…。先輩達だけで乗って来て!!」

「それじゃあつまんねぇだろ~。黒崎って何気にビビリ~。」



名字で呼んでる事にホッとした…。



呼び捨てだったら家帰ってキレちゃうかも~。



英梨を無理矢理乗せたジェットコースター。



「ムリ…休憩…。」

「「ヘタレ~。」」

「じゃあ観覧車乗ろうよ蒼君…。」



死んでも乗らねぇ。



高いの嫌いだしまた止まったら…。



「英梨、アイス買ってあげるから観覧車はナシね?」

「何で!?蒼斗君高所恐怖症かなんか!?」

「まぁ…。高い場所に長く滞在したくないんですよ…。前乗った観覧車止まったんで…。」

「止まる事なんてあるんだな!!」



あるっつーの…。



クソ英梨…。



とことんイジメてやりてぇ。



「お化け屋敷行こうよ!!」

「じゃ、カップルで別れて入りますか!!」



こんなお化け屋敷、親睦会の肝試しに比べりゃなんて事ねぇだろ…。



作り物であれ以上の恐怖は有り得ない…。



「ヤダ!!また誰かに憑かれたらどうするの!?」

「ははっ!!マジヘタレ~!!」



英梨はビビリだな。



でも確かに憑かれたらビビリにもなるか…。



「行くよ~。」

「ヤダ!!待って蒼君!!」



スタスタと先を歩いて中に入った。



なんじゃこりゃ…。



「全然怖くねぇな…。」

「ね…。あの恐怖を知ってしまったらこんなの朝飯前だ…。」



英梨も余裕でビビる事なくクリアした。



もう1組の仲良しカップルは…。



「マジ怖かった~!!」

「ヤバイヤバイ!!心臓止まるかと思った…。」



序の口だろ~…。



それにしてもコイツら仲良しだ…。



俺らもラブラブっぽい事しちゃう?



まず手でも繋いでみるか…。



「いいの!?」

「ん。」



英梨が予想以上に喜んだ。



カワイイ…。



「そろそろ昼メシ?」

「ですね。」



メシは遊園地内のレストラン。



何を話せばいいんだろうか…。



彼女さんは俺らとタメらしいし。



大人しい感じの落ち着いた女だ。



「二人の出会いって何?」

「出会い…。」



俺が英梨とヤってみたかっただけで実際ヤっちゃって…。



言えるわけがねぇ!!



「同じクラスで席が隣だったんで。俺の一目惚れだったんですよ~。」



なんちゃって…。



英梨も解ってるから黙ってジュースを飲んでた。



「先輩は!?出会いは何だったの?」

「ナンパしちゃった~。で、ついて来ちゃったから成り行きで?」



案外適当な奴だな…。



学校の後輩とかかと思ってた…。



「でもあの黒崎が滝川蒼斗とだもんな~。マジで快挙!!」

「あのって何!?」

「だって友達すらいなかった黒崎がこんなに出世したんだぞ!?」

「先輩超失礼だし!!先輩こそナンパとか相変わらずじゃん。」



仲イイんですね~。