何で見つめるの?



「焼けた?」

「…………。」



水着の紐がとかれた…。



悠陽がエロい…。



「シャワー終わり。」



悠陽はシャワーを止めてからあたしを見た…。



あたしはただ水着が落ちないように片手で押さえるしか出来なくて…。



妙に大人っぽい悠陽の身体があたしを欲情させるんです…。



「手…邪魔…。」



水着を押さえてた手が下ろされた時にはドキドキし過ぎて動けない…。



悠陽マジック…。



「悠っ…。」

「美羽って首弱い?」



悠陽の舌が…。



首やめて…。



「じゃ、先に着替えとくからもう1回シャワー浴びてこいな?」



えっ!?



終わり?



恥ずかしいはずなのにどこか満たされない…。



触ってもくれなかったじゃん…。



超意地悪…。



満たされない…。



少し温めのシャワーを浴びてから着替えて部屋に行くと悠陽の髪は既に乾いてた。



何もセットしてないサラサラな髪…。



少年悠陽…。



「見てみて!!俺超身体柔らかい!!」



ストレッチ?



柔らかいのはわかったけどさっきの雰囲気はどこへ?



「俺腹減った~…。」

「そう言えば何も食べなかったね…。悠陽がビーチバレーなんてするからだ。」

「アイス食いに行く?」

「行く。」



ご飯の時間まではまだ余裕があったから二人で外に出てアイスを買った。



「デートみてぇだな!!」

「だね!!」



たまにはこんな時間がほしいかも…。



勉強ずくしの悠陽にはデートしたいなんて言い出せないんだけどね…。



あたしのワガママで悠陽の未来を後悔するものにしたくないから。



「俺美羽とサーフィンしてぇな。」

「サーフィン!?あたしスポーツは…。」

「でもやるなら慎也君が教えてくれるって言ってたぞ?」



レジェの慎也君が!?



二人で同じ趣味ってイイよね?



「やる!!出来ないかもだけど…。」

「別に俺に合わせなくてイイんだぞ?」

「やってみなきゃ楽しさもわかんないじゃん?」

「前向きな考えでよろしい。」



褒められた…。



やっぱり改めて見ると悠陽ってイイ男だ…。



「さて、メシ食うか。」

「うん!!」



幼なじみだったなんて信じられない…。



今の悠陽と昔の悠陽が同じ人じゃないみたいだ…。



友達と彼女の差は大きい…。



「悠チャンエビ食べる?」

「あ~ん。」

「うまい?」

「んまい。」



悠陽と付き合えてよかった!!



あたし、物凄く幸せです!!



「イチャってんなガキ…。」

「会えねぇからって妬くなよオッサン。」

「は!?オッサン!?俺まだ21だし!!未婚だし!!加齢臭しねぇし!!」

「してるし…。あっ!!ウソ!!してないしてない!!」

「マ……ジ…?」

「してないって!!なっ美羽!?」



また悟さんとのバトル勃発の予感…。



【悠陽】



バカ悟…。



悩みやがれ。



「なぁ海…。俺って臭い?」

「は!?俺に聞くなよ…。言えるわけねぇだろ…。」

「マジかよ!!どうすんだよ俺!!」



ナイス海さん。



せいぜい落ちまくれ。



「そろそろ時間だな。」

「肝試し?」

「そ。俺らはラストだから。」



嫌な予感がすんだよな~…。



仁さんってかなりドSっぽいし…。



会長の俺は全員を送り出してから肝試し開始。



「怖い…。」

「怖くねぇ!!取り合えず走るぞ!!」



後ろから何か来てんだよ…。



マジ怖い…。



「うわっ…。マジでここに入んのかよ…。」

「やだよぉ…。やめて帰る…。」

「あいつらの考える罰ゲームなんて死んでも無理…。」

「だね…。よし、行こう…。」



恐ろしい廃墟に入った俺と美羽は若干ビクビク…。



入って速攻ビビらされた…。



「ムリだよ悠~…。」

「でも行かなきゃ…。」



既に泣きそうな美羽は俺の腕をギュッと抱きしめてる。



俺だって怖い…。



「うぉっ!!」

「きゃっ!!」

「ヤベェ怖い…。」

「もうやだぁぁぁ~…。」



半分くらいまで進んだら美羽は泣き出した…。



ムリムリ!!



俺も泣きてぇ…。



「もうやめる~!!」

「美羽ちん!!走るぞ!!」

「えっ!?ヤダ!!ヤダよ悠!!」



罰ゲームよりマシ!!



美羽の腕を引っ張って相当走った。



途中でいろいろ出て来たけどもう無視!!



「はぁはぁはぁ…。」

「お疲れさまでした。」



終わった…。



超怖かった…。



「うぅぅ~…。」

「もう終わった!!頑張ったな美羽。」

「怖かった~…。」



俺も怖かった…。



ホテルに戻って学園長の部屋で皆で飲む事になった。



いつもはあんまり飲まない美羽がバカみたいに飲んでる…。



何かを忘れるように…。



「おい悠陽…。美羽やべぇぞ…。」

「いつもこんなに飲まねぇのに…。俺部屋に戻りますわ。」

「多分吐くぞこれ…。」

「マジ!?」

「吐くだけ吐かせてやれよ?」



下を向いてさっきからユラユラ揺れてる美羽…。



ヤバイな…。



「ミュー?部屋戻ろ?」

「気持ち悪い…。立てにゃい…。」



連れてくしかないらしい…。



裕介さんに言われた通り部屋に戻ってすぐトイレに連れてった。



「おしっこしない…。」

「ちげぇよ…。吐くなら吐け…。」

「じゃあ吐くから出てって…。」



吐くんだ…。



バスルームを出てテレビをつけた…。



トイレが流れっぱなしだ…。



しばらくして開いたバスルームのドアから美羽が出て来た。



「ミューミュー復活~!!」

「大丈夫か?」

「大丈夫~。ねぇ悠チャン、頭洗うから服脱がせて?」



えっ!?



イイの!?



なかった事にされるのがイヤだからそのまま美羽の服を脱がせた。



「待っててね?」



待ってます…。



ってかどうした美羽!!



酒って怖い…。



「悠陽?歯磨きしよ?」



髪が濡れてる美羽に渡されたハブラシ…。



バスタオル1枚って…。



誘ってんの?



仕方なく歯磨きをしてから部屋に行った。



「乾かして?」

「あい…。」



ドライヤーで美羽の髪を乾かしてやった。



服は着ないの?



「寝よ?」

「俺着替えてねぇ…。」

「じゃあ着替えさせてあげる。」



絶対誘ってますよね?



顔がヤバイエロっ…。



【美羽】



悠陽カッコイイ…。



この肌は何でこんなにスベスベ?



「美羽!?」

「仕返しだよ悠。」



さっきはよくも欲情させてくれましたね。



だから悠陽と同じ事してやった。



「悠陽ってさ…。」

「何!?えっ!?マジ何!?」

「身体エロい。してる時はどんな顔するの?」



見てみたいんだよね。



見つめられたら本当に溶けちゃうのかな?



「見たい?」

「見たい。」

「じゃあキスして?」



いつもなら絶対恥ずかしいのに…。



お酒の力は恐ろしい…。



「美羽はどこがイイ?」

「首ヤバイ…。」



しかも今日は熱い…。



あたしおかしい…。



「あっ!!ちょっと待ってて美羽!!」

「えっ!?」



急に服を着た悠陽は慌ただしく部屋を出て行った…。



裸のあたしは放置でしょうか?



すぐに戻って来た悠陽…。



「何!?」

「美羽は気にしなくてイイっス…。」

「超気になる…。」



何何!?



服脱ぐ前に教えてよ!!



「んっ…。ちょっと悠っ…。」

「気にすんなって…。集中。」



首攻め…。



やめてほしいけどやめないでほしい…。



「美羽…。」

「ふぁ…。」



耳もダメ…。



ってかもうダメ…。



「俺限界…。」

「あたし…も…。」



あぁ…。



久しぶりの悠陽だ…。



顔が見たい…。



目を開けると悠陽があたしを見てた…。



「ヤってる時はこんな…顔。」

「溶ける…。」



見た事ないような悠陽の顔…。



超カワイイ…。



「あんまり余裕ねぇから見んな…。」

「ヤダ…。見てたい…。」



あたしの足に触れるその手も…。



揺れる前髪も…。



あたしをまっすぐ見つめる目も初めて見たかも…。