それから悠陽は誰かに飲まされて結構酔ってる。



お酒強くないのに…。



「美羽~。俺お前のことすげぇ好き~。」



そう言ってまた後ろから抱き着かれた。



皆の前で何すんのよ~!!



「辞めてよ悠!!」

「別にイイだろ。ってか…。マジで俺んだからな。離れんなよ。」

「うん?」

「モデル…。頑張れよ。」



悠陽が言ってくれたその言葉が嬉しかった。



悠陽はただ縛り付けるだけじゃなくてちゃんとやりたい事を理解してくれる。



ありがと悠陽…。



「だから今から帰って二人でパーティーしね?」

「何パーティー?」

「すっげぇやつ。しいて言うなら生まれたての姿ごっこだな。」

「………帰ろうか。」

「じゃあ琉伊様に許可もらってくる。」



悠陽の為なら何でもできそう。



あたしが悠陽を育てる。



世界一カッコイイ高校生にしてあげる!!


【蒼斗】



何で俺が…。



何で俺なんだよ…。



「お願いね?」

「学園長…。俺忙しいんです…。今日もこれから仕事なんです…。」

「知ってる。でも皆さんで協力したらたのしいわよ?」



今学園長室に呼ばれて初めて学園長に合ってる…。



こんなに若いとは思わなかったし…。



っていうかキャバ嬢見たいなんだけど…。



それにしても何で俺が生徒会なんてはいらなきゃいけないんだよ…。



入学式で読んだ祝辞は俺が学年1頭いいから…。



それだけで充分だろ…。



「お断りさせていただきます…。」

「断る?あたしがこんなにお願いしてるのに断るってどういうこと?」




なんだよそれ…。



しかも俺はまだ2年だから生徒会長なんてしたくない…。



「部活入ってないのよね?」

「だって部活は自由だし…。」

「生徒会何てすることないんだからいいじゃないの。それとも留年したいの?」




何でそうなんだよ!!



留年する意味がわかんねぇ!!



っていうかこの学園長は何で外に出てこないんだ?



入学式も卒業式ですら出てこない…。



何かあるんだろうか…。



「やるわよね?」

「分かりました…。でも生徒会長はできません。」

「しかたないわね~…。じゃあ会長は皆で話し合いなさい。」

「失礼します…。」



そう言って学園長室を出た。



廊下を歩くと英梨があっちから歩いてくるのが見える…。



まさかお前もか…。



「なにしてるの?」

「学園長に呼び出された。」

「あたしもなんだけど何で!?」



可哀そうに…。



でも英梨と一緒ならいいかな?とか思ったりして…。



それにしても学園長に脅されるとは思わなかった…。



しかも明日集まって会長決める見たいだし…。




選挙なんてしたら俺が会長になるかもしれないからそっちのが好都合だけど…。




英梨とはクラスが離れてしまった俺は今回も千明と一緒。



マジでウザイ…。




「本気でヤバイよ朱莉チャン!!」

「何が?」

「なんでもこたえてくれる!!保健室とかマジでたまんねぇの!!」

「あっそ。」




うまく行ってるようでよかった。


千明はマジで最近保健室にばっかり行ってる。



なにしてんだか知らねぇけど。




楽しそうだからいいや。



「そう言えばなんだったんだよ学園長。」

「俺、生徒会に強制ではいらされた…。」

「生徒会?あの活気のねぇ奴らの集まりか!?」

「そう…。」



マジで何で俺なんだよ…。



絶対会長になんてなんねぇからな。




「蒼君!!」

「英梨…。」

「何であたしが生徒会なんてはいんなきゃいけないの!?」

「仕方ないよ。学園長が決めたことなんだから。一緒にがんばろうね?」

「あたし忙しいのに~!!」



それは俺も同じだ…。



後のメンバーってまたさえない奴なのか?



真面目って言うか気が弱くて押し付けられて生徒会入ったような奴ら…。




マジで憂鬱…。



しかも生徒会っていまいち何してんのかわかんねぇし…。



活動してるのかすら微妙…。



「俺、保健室行ってくる!!」

「何しに?」

「それは秘密。呼び出しメール来た!!」



マジでラブラブってやつ?



何か俺も触発されるんだけど。



「英梨、今から授業サボって屋上行かない?今日晴れてて気持ちよさそう!!」

「仕事は?」

「まだ1時間ある。」

「じゃあ行く。」



久しぶりに学校で…。



しちゃう?



人気がナイ屋上は基本的に誰もいない。



ドアを開けてから思い切り外の空気を吸い込んだ。



「蒼斗…。」

「なんで莉里がいんだよ…。」

「隼人とイチャイチャしてんだから邪魔しないで。」

「同じ事考えてる俺らってどうなの…。」



エロ一家じゃねぇか…。



でも最中じゃなくてよかった…。



隼人さんと莉里のそんなシーン見たくねぇ。



ライブ後のベロチューだけで十分だ…。



「蒼斗君達が来ちゃったら何も出来ないじゃん。」

「新入生が2日目から授業サボるってどうなの…。」

「俺は卒業さえ出来れば勉強しなくてイイもん。」



隼人さんもう21歳だしな…。


莉里の為に高校来たみたいなもんだし。



その時開いたドア。



イケメンのホストみたいな男…。



誰でしょう…。



「桜井!!おめぇふざけんなよ。俺の初授業サボるってどんだけアホなんだ!?」

「大和君…。なんでここだと思ったの?」

「天道が言ってた。」

「悠陽君…。チクりやがったな…。」

「いいからさっさと戻るぞ!!」



俺らはいていいんですか?



隼人さんだけ強制連行?



「あ、滝川蒼斗だ…。」

「俺も天道です。あとこの猫も天道。」

「は!?何人天道いんだよ。」

「3人。」

「お前2年?俺教えるわけじゃねぇからイイや。」



あぁそうですか…。



結構適当な教師だな…。



「お前1年?」

「うん。もしかして悠陽が言ってた大和?」

「中村先生と呼べ。名前は?」

「知らないの!?莉里だよ。」

「あぁ!!聞いた事あんな!!嫁が読んでる雑誌のモデルか!?」



嫁いんのか…。


モテそうな男だ。



教師にしとくのもったいねぇ…。



「じゃあお前は莉里な。」

「俺のハニー呼び捨てにしないでよ。」

「じゃあなんて呼べばいいんだよ。」

「天道さん。」

「却下。莉里と蒼斗な。」



はぁ…。



ってか授業はイイのか?



「あ、早く戻るぞ桜井。」

「やだよ~…。俺莉里といたい。」

「生温い事言ってんじゃねぇよ。留年してぇのか?」

「もぅ…。しょうがないな…。莉里、夜家でね?」



厳しい先生らしいな…。



でもマジで俺らはイイのか?



隼人さんを連れて屋上を出てったホスト…。



厳しいのか緩いのかわかんねぇ奴だ…。



「隼人いないから莉里保健室で寝る~。」

「保健室!?今千明が…。」

「千明!?千明が何かしたの?」



言っちゃダメだよな!?



でもそしたら莉里が保健室行っちまうぞ!?


【英梨】



莉里チャンが保健室に行こうとしてる!!



これは止めなきゃ…。



「莉里チャン、あたしの悩み聞いてよ~…。」

「悩み?」

「うん。あたし生徒会入らされた~…。」

「英梨も!?隼人って言うかAQUAも生徒会だよ?」

「そうなの!?莉里チャンは!?」

「莉里はそんなめんどくさいのしな~い。」



AQUAも生徒会なら結構楽しそう…。



莉里チャンも勧誘しよう!!



「一緒にやろうよ~。蒼君も生徒会なんだよ!!」

「蒼斗も?なんで急に?」

「学園長が…。活気がない生徒会を盛り上げるのはあなたたちしかいないのよって…。」

「莉里やだよ~…。」



悠陽君も美羽チャンもみんな引き込んだら楽しそうじゃない!?



こうなったら皆で生徒会!!



「生徒会に隼人さんのファンいても知らないよ?」

「それはダメ!!」



だったら一緒に明るい生徒会を!!



迷ってる莉里チャンはもう一押し!!



「すっごいキレイな子に隼人さんが誘惑されて…。」

「わかった!!入ればいいんでしょ!?でも莉里何もしないからね!!」

「じゃあさっそく学園長に報告に行こ!!」

「学園長!?いるの!?」

「さっきいたよ?」



それから蒼君と莉里チャンとあたしで学園長室に来た。



高そうな椅子に座って誰かと話してる…。



「そんな事ないってぇ~!!好きだよ!?浮気なんかしないから!!また後でねダーリン!!」



ドン引き…。



さっきと全く違う声のトーンと喋り方…。



彼氏だと思われます…。



「何か用かしら?」

「あ、あの…。この子!!」

「生Riri!!あたし凄いファンなの!!」



はい?



学園長が莉里チャンのファン…。



15くらい歳の差が…。



「あなたのお母さんの!!」



寧音さんの事ね…。



莉里チャンのファンじゃ歳過ぎるもんね…。