谷君の彼女らしきギャルは何も話さずに…。



ケーキ食いたいって言う美羽のために近くのファミレスに入った。



「谷原の…。」

「彼女。」



へぇ~…。



お前結構熟女好きじゃなかったか?



「ってかマジだったんだね~。悠陽と友達とか。」

「だから言っただろ。お前が信じねぇから。」



呼び捨てかよ…。



初対面ですが…。



「お前らの学校どうなの?」

「まぁ普通?それより創輝は!?」

「あいつもあのまんま。悠陽がいなくなってから寂しいって嘆いてたから電話でもしてやって。」

「そうする。谷原は大学どこ行くわけ?」

「そのままかS大かな~。悠陽も行くのか?」

「俺S大行くからお前もS大にしろな。」

「マジ!?じゃあS大にする!!」



また谷原と一緒とか嬉しいかも…。



まだまだ先の話しだけどな。



でもそろそろ勉強しなきゃマジ受からん…。



「写メってイイ?」

「へっ!?写メ!?」

「うん。」



この女…。



俺、好きになれないです…。



「写メナシ!!」

「悠陽!!」

「ん!?」

「あたし…。短大行くからね?」



美羽ちん!?



何で今その話し!?



「悠陽がS大行くって…。でもあたしは短大行くからね!?」

「う、うん…。頑張れ?」

「よかったぁ~!!反対されるかとおもった!!」



スッキリした顔だね?



まさかズット言いたかったとか!?



気付いてやれなくてごめんな…。



「ねぇねぇ、プリクラ撮りたい。」

「お前マジうるせぇ!!黙ってケーキ食ってろよ!!」



うん。



黙っててほしい。



ってかなんでこんな不思議な女と付き合ってるんでしょうか…。



「二人の出会いは…。」

「幼なじみ…みたいな感じ…。」



俺らと同じ…。



でもきっとこのギャルもいいとこあるはずだな!!



「今から何か予定あんの?」

「特にねぇよ?」

「夜景見に行かね?」

「夜景!?どうやって?」

「コイツの車で。」



マジ!?



ギャルさん年上だったわけ!?



って事になった俺らはギャルの車で見知らぬ岡に来た。



「すげっ!!」

「超キレイ!!」



今日はマジで感動する事ばっかりだ…。



莉里達の結婚とライブと復讐と夜景…。



俺、幸せだ…。



「ねぇ悠陽、いつか二人で来たいね?」

「そうだな。俺が免許とったら連れて来てやる。」

「うん。楽しみにしてる。」



来年も美羽とクリスマスを過ごしたい。



これから先、死ぬまで美羽と楽しい事を分け合いたい。



「さぁ帰りますか!!」

「その前に写メっていい?」

「写メナ~シ!!撤収!!」



メリークリスマス!!



【蒼斗】



ただいま!!



ただいま日本~~!!



「おかえりなさい蒼斗君!!ハリウッドはどうでしたか?」

「最高でしたよ。映画もかなりイイ出来でますので!!」

「今から会いに行かれるんですか?」

「英梨ですか!?もう家に来てると思いますよ。久しぶりですから緊張しますね~。」



なんちゃって。



空港で待ってる俺のファンと報道陣。



猫被りな俺。



「蒼斗君!!おかえり!!」

「隼人さ~ん!!マジ久しぶり!!」

「みんな忙しいからお迎えに来たよ。」

「結婚おめでとう!!」

「ありがとう。」



久しぶりに会った隼人さんは更にかっこよくなってた。



でも何か声が違うような…。



「隼人さん声変じゃない?」

「ん~。クリスマスあたりから何か変な感じなんだよね~。」

「それ病院行った方が…。」

「ヤダよ~。新婚なのに余命3ヶ月とか言われたら…。」



本人も自覚してるのか…。



そして車も変わってる事にビックリ…。



もっとビックリしたのは家の隣に家が建ってた事…。



「何これ…。」

「俺と莉里の家だよ。寧音さんと日向さんが『新婚気分味わえ』ってさ!!」



すげぇ親だな…。



そして何も変わってないわが家…。



「ただいまぁぁぁ!!」

「ニャ~。」



ジュン!!



お前しかいないのかぁ~!!



「寧音は?」

「多分ヨガに行ってるんじゃないかな?」



そうか。



寧音も腹出たんだろうな…。



「隼人さんの部屋はどうなったの!?」

「日向さん達の部屋との壁ぶち抜いて吸収された~。赤ちゃんのためって言ってたよ。」



そうか…。



家族増えんだなぁ~。



「おみやげ~。」

「何!?嬉しい!!」

「結婚祝いも兼ねてね?」

「ありがと!!莉里喜びそう!!」



早く帰ってこねぇかな…。



英梨…。



次に帰宅したのはやっばり寧音。



「おかえり蒼斗!!」

「ただいま。腹でけぇな!!」

「後2ヶ月で出てくるからね。順調だし!!あんたも元気そうでよかった。」



寧音も俺の心配するなんて何気に姉チャンだな…。



そして帰って来た英梨。



「蒼君!!会いたかった~!!」



そう言って抱き着かれた。



あぁ英梨だ…。



「ただいま。」

「おかえり…。おかえり~!!」



泣いちゃったりして…。



マジでカワイイ…。



もう離れねぇからな…。



ってか離さねぇ。



「おっ、帰って来たか。」

「蓮さん、ヒナ兄…。ただいま。」

「「おかえり。」」



家族ってイイな…。



何かホッとする…。



「蒼斗~!!!!会いたかったよ~…。おかえり!!チュウしていい!?」

「いいわけない…。ただいま亜香里。」



やっぱりここだ…。



ここが俺の家だ。



「隼人こっち?って蒼斗!!おかえり!!」

「おぅ。結婚おめでと。」

「ありがと~!!次は蒼斗の番だね!!」



莉里は髪が短くなってて大人っぽくなってた。



悠陽は帰ってくんのか?



「蒼斗~!!おかえり!!」

「美羽も一緒か!!マジ久しぶり!!」

「かっこよくなっちゃって~!!背伸びたんじゃない!?」



お前は親戚のオバチャンかよ…。



でもマジで嬉しい。



皆元気でよかった…。



「英梨、俺今から…。」

「うん。仕事でしょ?行ってらっしゃい!!明日は蒼君帰国パーティだし!!今日は起きて待ってるからね!!」



また行ってきます…。



でもちゃんと帰ってくるからな?



「お疲れ蒼斗。」

「ヒロ~…。マジ疲れましたわ…。1年くらい有休くんねぇの?」

「誰が稼ぎ頭を休ませっかよ。じゃあ仕事して来い。」



今日は早く帰るからな!!



そして仕事を終えた俺はクタクタ…。



「ただいま…。」

「「おかえり~!!」」



何か『おかえり』って嬉しい…。



ただいま…。



「一緒にお風呂入ろう!!」



英梨と4ヶ月ぶりの風呂だ…。



マジ癒される…。



「寂しかったか?」

「うん。寂し過ぎたくらい寂しかったよ。でも最後の4ヶ月は泣かなかったの!!」

「ん。偉い。寂しい思いさせてごめんな?」



距離と時間が俺を大人にしてくれたような…。



そんな気がする。



「英梨、抱きしめて?」

「おいで?」



マジで会いたかった…。



ズットお前でいっぱいだったんだからな…。



英梨ってあったけぇ…。



「頑張ったね蒼君。」

「ん。でもこれからも頑張る。」

「頑張れ。あたしはズット蒼君に着いて行くからね?」

「当たり前だし…。」



そばにいてくれなきゃ困る。



俺が英梨を好きなくらい、英梨にも俺を好きでいてくれなきゃ困る。



「早く出よう…。」

「そうだな。」



早く英梨と寝たい。



超抱きしめてもらおう。



「ジュン、おやすみ。」

「ニャ!!」



さぁ、寝るぞ。



久しぶりの自分のベッド…。



「蒼君、おいで!!」

「ん~…。超癒される~…。マジ好き~…。」

「あたしも大好き。蒼君カワイイ…。」



英梨のがカワイイ。



マジ好きだ~…。



「そういえばキスしてない…。」

「ぁん!?マジだ!!」

「して?」



するする。



今日から毎日する。



「イイ?」

「ん…。」



どんだけ我慢してたか…。



英梨に触るの…。



「うぅぅっ…。」

「泣くな…。」

「もうどこにも行かないでぇ~…。」

「行かない。もう行かないから。泣くなよ…。」



一生守ってやるから…。