でも俺の姉~…。
何かしたらキレてやる。
「明日早いの?」
「うん。朝から晩まで。」
「そっか。大変だね。」
「莉里だって忙しそうじゃん。」
「うん。でもね、莉里、もっと忙しくなるかも。」
「何で!?」
「アメリカ行ってくる。」
「どれくらい!?」
「1ヶ月。」
待って?
俺、何も聞いてないし何も相談されてないし…。
マジな話し!?
「ダメ?」
「急過ぎますよね…。」
「前から考えてたんだけどね。いい仕事があるんだぁ~。」
「いつ?」
「学祭終わったらかな?」
凄い寂しいんだけど…。
ってかマジ?
「たかが1ヶ月どって事ないでしょ?」
「まぁ…。」
俺のツアーとかでもかなり離れるけど…。
寂しいっスよね…。
「浮気すんなよはぁ君…。」
「しないよ。莉里も俺だけね?」
「うん。」
やだなぁ…。
英梨チャンと蒼斗君を見てると遠距離は不安になるよ…。
「1ヶ月だけだからね?」
「うん…。俺莉里超好き…。ワガママ言うと行かせたくない…。」
「莉里も隼人大好きだよ?絶対莉里は隼人しか好きじゃないから大丈夫。信じて待ってて?」
「わかったぁ…。じゃあ毎日一緒に寝ていい?」
「いいけど…。ヒナ君大丈夫かな…。」
そんなの無視無視。
莉里との時間のが大事だもん。
でも一応日向さんの部屋から離れてる莉里の部屋で寝よ…。
それからお風呂を出て莉里の部屋に来た。
「おいで?」
「ん。隼人大好き~…。」
ギュッと抱きしめた莉里は細すぎて折れてしまいそう…。
その細さもカワイイ。
「リィが他の奴とどうにかなったら俺死ぬかも…。」
「心配し過ぎ。隼人以上の男なんていないも~ん。」
そうかな…。
まぁ莉里以上の女もいないけど。
でも大丈夫かな…。
マジ不安…。
「莉里たん、寝よ?」
「まだ寝る時間じゃないよ?」
「何かするの!?」
「むふふ…。」
やっぱり離れたくない~…。
1秒でも離れたくない…。
「毎日電話するね?って言ってもまだまだ先だけど。」
「ん。寝よ?」
「オヤスミ隼人。」
俺達は大丈夫だよね。
こんなに想い合ってる。
どこにいても俺と莉里は繋がってるんだ。
「莉里、行ってきます。」
「待って…。もう朝?」
「うん。まだ寝てな?」
「チュウ~…。」
そんなに考えなくてもいいよね。
俺は莉里を死んでも離さないし。
莉里に好きな人が出来ても莉里を離さない。
ズット俺のとこにいればいいんだ。
「愛してるよ莉里。」
「ん…。オヤスミ…。」
どこ行っても離してらんないもんね!!
【悠陽】
だからイヤだったんだ…。
だから俺は反対したんだ…。
「なんじゃこりゃ!!」
「噂のラブレター?」
美羽の下駄箱に毎日入ってるゴミ達…。
オスが手紙なんて書くんじゃねぇ!!
「だからモデル反対したのに…。」
「でもあたしは悠陽一筋だよ?」
「美羽ちん…。」
そんなカワイイ顔して更にすげぇカワイイ事言っちゃうんだな…。
朝から俺、極楽行った気分…。
「あ、ミューミューだ!!」
「ウッソ!?マジカワイイ~…。」
俺が隣にいるのに…。
お前ら殺すぞ。
「悠陽!!顔怖い!!」
「あ、ごめんな美羽ちん。」
しかも美羽のファンって男が多い。
チャラいのとヤンキーが特に多い…。
イライラすんだけど。
「アレミューじゃね?」
「マジだ。やべぇヤりてぇ。」
おい!!
聞こえてんだよクソヤロー!!
でも俺は同じクラスだし?
幼なじみだし?
誰よりも美羽をよく知ってるし?
お前らになんてやんねぇよ。
「おはよう赤沢。」
「あ、おはよう田中君。」
誰だよ田中って!!
しかも超ヤンキーだべ!!
「だ、れ?」
「クラス委員じゃん!!」
これが?
ヤンキーなのに?
なんだよその顔の傷…。
ホンモノ?
「天道、俺、赤沢ファンだから。」
「なっ!?はぁ!?」
「隙あらばいただいちゃうんでヨロシク。」
待てよ…。
なぜヤンキーにモテる…。
わからん…。
夜露死苦じゃねぇよマジで!!
「美羽はやんねぇし!!ファンとか辞めろ!!ムリムリ!!マジナイ!!」
「ちなみに、俺、お前みたいなチャラチャラした奴大嫌いなんでヨロシク。」
夜露死苦されねぇっつーの!!
もうイヤだ…。
美羽といると男達が美羽を見てるような気がしてならない…。
「ミューチャン、今度遊んで!!」
「遊ばねぇよボケ!!」
「おめぇに聞いてねぇよハゲ金髪。」
「はぁ!?ハゲはおめぇだろ!?」
「やんのかコラ。」
何でこうなる…。
俺は全くヤンキーでもなければチャラ男でもねぇ…。
「何してんだ悠陽。」
「仁さん!!何か今からケンカするらしい。」
「そ。頑張れよ。」
待って…。
助けて…。
顔に傷作るわけにはいかんのです!!
「辞めてよ悠陽!!」
「はい。やめます。美羽ちんの頼みならなんでも聞いちゃう。」
「じゃあ音楽室行こ?」
「うん。じゃあなハゲ。」
学校嫌いだ…。
ケンカに負ける気はしない…。
でも最近の若者は平気で刺したりする奴もいるんで…。
そしたら病院行かなきゃなんねぇだろ…。
そんな事になったら最悪だ…。
夜露死苦軍団の奴らをどうにかしてしまいたい…。
火あぶりとか張り付けとか…。
ふふっ…。
狩りでもするか。
「今から仕事?」
「うん。悠陽は今日来る?」
「行く。」
「じゃ後でね!!」
カワイイ…。
美羽の笑顔はジュン並の癒しだ…。
「ケンジ。」
「悠陽!?珍しいな!!どうした!?付き合ってくださいとか言うなら喜んでOKだ…」
「お前ケンカ強い?」
「柔道と空手ならってましたがなにか?」
「ついて来な。」
ふふふふふっ…。
一人残らず極刑だよ~。
「お前美羽ファン?」
「そうだけど。だったらなんだよ。」
「死ね!!」
「いてぇ!!意味わかんねぇぞコラ!!」
俺の美羽チャンに触る奴は予備軍だろうが赤ちゃんだろうが容赦しねぇよ~。
中学校の時に教師とケンカしたぶりに暴れてやったし。
「神野先輩が1番ミューファンっス…。」
「そいつ呼べ。」
ケケケケケッ…。
見てろよ神野。
「何だよコレ。」
「お前美羽に手出す気は?」
「アリアリだな。ミューは俺のオアシスだ。」
「残念ながら俺のオアシスだ。」
「気合うな!!」
「は!?」
「お前分かってんじゃん!!やっぱミューの彼氏だけあるわ~。」
ん?
狩りは終了?
「これからは仲良くやろうや!!」
「はぁ?」
「じゃあファンクラブ1号は俺だからな!!」
「えぇ…。」
まぁ解決?
久しぶりに楽しかったからイイか。
「俺は好きな奴に迷惑かける程邪道な奴じゃねぇんだよ。コイツらにも言ってきかせるから。悪かったな悠陽。」
「わかればいいんだよわかれば。じゃあな敏彦。」
ヤンキーの友達が出来た。
でも何かよく考えると俺らってすげぇ第三者が関わって来て揉めてる気がすんだけど…。
琉伊君もだしケンジもだし…。
野々村に今回の…。
いい加減にしろよなぁ…。
「俺いた意味あった?」
「あった。俺、1回低額くらってっから何かあったらお前になすりつけようとしてたわけよ。」
「ひでぇな悠陽~…。お詫びにプリクラ撮りにいかね!?」
「何で俺がお前と…。」
「行くぞ~!!」
わけわからないうちにケンジに連れて来られたゲーセン…。
プリクラの機械の中…。
「笑えよ悠チャン!!」
「本気で笑えねぇよ!!」
「笑わないとチュウしちゃうよ?」
ぎゃぁぁぁぁ!!
ヤンキーよりもケンジが怖い!!
そして撮った苦笑いのプリクラ…。
「家宝にしよう。」
「すんな…。全部俺によこせ。」
「いいよ。」
おぉ!!
素直に全部渡してきた…。