現にデビューしたばっかりなのに注目されてるし。



「仁が落ち着いたのがショック…。」

「まさか学園長だとは思わなかったけど。」

「でもあの女、仁にピッタリだ…。尽くす年上女…。」



そうなんだ…。



俺も仁さんは落ち着かないと思ってたけど。



「じゃあ一人寂しく部屋戻るわ~…。」

「俺らも戻る!!」



悟さんに挨拶してから自分の部屋に美羽を入れた。



美羽が1番カワイイ。



「風呂入る?」

「イヤだ~…。」

「はいはい…。お先。」



もう恥ずかしがる事ねぇだろ…。



でもそれが美羽のイイとこ。



仕方ないから一人で風呂に入った。



気持ちいい~…。



「悠陽!!」

「は!?覗き!?」

「ち、違うよ!!皆花火してる!!行く?」

「い、行か…ね…。ってか閉めろよ!!」

「ごめん!!」



恥ずかしい…。



急に開けんなよ!!



超無防備だったし…。



【美羽】



超ドキドキした…。



悠陽の全裸を見てしまった…。



イイ身体…。



じゃなくてあたしは何て事を!!



恥ずかしい~!!



「おい、エロ美羽。」

「はい…。」

「入れば?」



恥ずかしいからバスルームに逃げた。



鏡にうつる自分の顔が赤い…。



お風呂の熱いお湯と自分の体温で頭がクラクラ…。



「いつまで入って…。美羽!?」

「のぼせた…。」

「バカか!!」



だってこれからする事とか考えたら出るに出られなくて…。



恥ずかし~い!!



フラフラしながら悠陽のベッドに倒れこんだ。



優しく頭を撫でてくれる悠陽の手が心地いい…。



「好きだよ悠…。」

「俺もすげぇ好きだし。」



その後に悠陽がくれたミネラルウォーターを飲んで目を閉じた。



悠陽の匂いがする…。



抱きしめてくれてる…。



目を覚ますともう朝!!



隣には上半身裸の悠陽があたしを抱きしめて寝てた。



「起きて?」

「チュウしてくれなきゃ起きね。」

「ん。おはよ?」

「おはよ。ってかお前より先に起きてたし。」



寝顔見られたのか…。



ってか手が…。



「ヤダよ悠…。」

「たまにはよくね!?」

「明るいから恥ずかしい…。」

「目つぶっとけ。」



悠陽がピュアじゃなくなって来てるよ~…。



あたしはいつまでたっても慣れない…。



「いい?」

「う…ん…。」



だって悠陽がカワイイんだもん…。



流されちゃう…。



「悠陽~!!おはよ~!!」

「ケンジ!?」

「あ、ドア開いてんじゃん。入るぞ~。」

「マジ!?ムリ!!」



結局池内君に邪魔されたような助けられたような…。



でも楽しい旅行だった!!



【蒼斗】



仕事が終わって家に帰ったら勉強してるヒナ兄と英梨…。



なぜ勉強?



「おい!!英梨ってマジバカだな!!」

「バカだけど何でヒナ兄が勉強なんて教えてんだよ。」

「テスト落としたら仕事出来ねぇからって泣きついてきた。」



あ、そう言えばそろそろ夏休み前のテストだ。



そろそろって言ってもまだまだ先だけど。



まだ6月だし。



ってか今日って双子の誕生日じゃね!?



「あいつらの誕生日じゃねぇか?」

「そうだな。悠陽がもう祝う歳じゃねぇから何もすんなってさ~。」

「毎年盛大にパーティしてればそう思うだろ…。」



双子と美羽の誕生日が同じだからいつも3人一緒に祝ってた。



レジェ貸し切りで。



「悠陽は美羽とやらしい事してぇだけだろうな。」

「莉里は?」

「莉里は寧音と買い物行った。そのまま隼人とどっか行くとさ~…。」

「完璧にヒナ離れしたな。」

「マジ寂しい…。隼人に取られた…。」



可哀相なヒナ兄…。



でも家に住んでるだけマシだろ。



そのうち莉里もアメリカ行くだろうし。



「じゃあ今日は何もないんだな?」

「何もナシ。」

「じゃあ勉強頑張れよ~。」

「は!?お前が教えろよ!!」

「ヒナ兄が教えてやれよ。俺はマッサージチェアに座ってくっから。」



今から勉強は大変だな。



でも今からやらなきゃついて行けねぇだろうな~。



隼人さんもやべぇだろ。



ん!?



『無条件に卒業』



そうか…。



宝探したんだっけな…。



俺も探してやればよかった。



あのバカの為に。



「蒼斗!!」

「何だよ寧音…。うるせぇなぁ~…。」

「お兄ちゃんから電話ってさっきから呼んでるでしょ!!」

「ヒロから!?」



携帯にかけてくりゃいいだろ~…。



あ、携帯部屋か…。



「はいよ。」

「お前ハリウッド行く気あるか?」



俺がハリウッド!?



ってか何で急に!?



「ショーンの新作に抜擢された。お前が。」

「俺が!?でもアメリカ…。」

「大ヒット間違いないし。どうする?ってか行け。社長命令だ。」



でもいつ!?



学校は!?



英梨は!?



「何ヶ月だよ…。」

「半年。もしくは1年。」

「学校は!?」

「休学するか辞めるか。テスト受けらんねぇだろうから。」



休学…。



退学…。



でも願ってもないチャンス…。



「蓮さんと亜香里さんと相談して決めろよ?」

「でも急過ぎ…。」

「こっちも急いで返事しなきゃなんねぇから早めに決断しろ。」

「恭一君はなんて?」

「決まってんだろ。行けって。」



半年から1年…。



マジかよ…。



ヒロの話しによると、ラスベガスが舞台で俺がマフィアのボスになる話しで…。



主演が俺で…。



わけわかんね…。



でも英梨はどうする?



半年も離れる…。



マジ泣くよな?



「寧音、蓮さんは?」

「今日は悠陽いびりに行ってるからもうすぐ帰って来るんじゃない?」

「そう…。」

「何かやらかした?」

「俺…転勤かも…。」

「意味わかんない。映画?」

「おぅ…。ハリウッド…。」

「ハリウッド!?あの龍さんとか涼司とかの!?」

「そうです…。」



ってか行くのか?



いや、行きてぇ…。



「英梨、俺ハリウッド行く…。」

「えっ!?ハリウッッッド!?」

「だから休学して…。半年から1年くらい…。戻って来れねぇ…。」

「…………。」



ほら!!



既に涙目じゃねぇかよ!!



「いやだ~…。」

「泣かせんなよ蒼斗~…。英梨も泣くな。」

「離れたくない~…。」



俺も離れたくねぇけど…。



でも仕方なくね?



英梨は大事だ。



でも今このチャンスを逃したら一生このままかもしれない…。



俺はもっとデカくなりてぇ…。



「英梨が泣いても俺は行く。」

「蒼斗、もう少し優しい言葉かけてやれよ…。」

「だって俺の人生は俺のもんだろ!?俺はまだまだデカくなりてぇんだよ。」

「お前なぁ…。好きな女泣かせて優しい言葉一つかけらんねぇのにデカイ事言ってんじゃねぇよ。」



ヒナ兄だって寧音と双子置いて旅に出たじゃねぇかよ…。



何が違うんだよ…。



「蒼君のバカー!!」

「は!?英梨!?」



どうすりゃいいかわかんねぇ…。



何がダメかわかんねぇ…。



「英梨の気持ちも考えて物言え。」

「わかんねぇよ…。」

「お前はオブラートに包むってことを知らなすぎ。」



オブラート…。



じゃあどう言えばイイんだよ…。



【英梨】



蒼君のバカ…。



もう少し優しい言い方出来ないの!?



追い掛けて来てもくれないし…。



勝手に行っちゃえ…。



「英梨?」

「寧音さん…。」

「まだ泣いてんの?」

「だって…。蒼君は?」

「今蓮さんと話してる。」



やっぱり行くんだ…。



行ってほしくないわけじゃないけど…。



「蒼斗の夢を応援しないの?」

「違う…。イイチャンスだと思うし。行くのは賛成だよ…。」

「じゃあどうした?」

「蒼君は寂しくないみたい…。あたしと離れるの…。」

「ははっ!!そっかそっか!!」



笑わないでよ寧音さん…。



寧音さんも日向さんと離れて寂しかったんでしょ?



「蒼斗素直じゃないから。寂しいなんて口が裂けても言わないよ?」

「それもそうだ…。」

「日向より蓮さん似だからね。」



蓮さん似かぁ~…。