「……本当にもういいから……」
「私はよくないよ!千愛ちゃんと
仲良くなりたいんだもん!」
「……なんで」
「かっこいいから!」
教室全体から 「は?」 という声が聞こえる。
もちろん、目の前に座っている
この女の子からも。
「だってヤンキーってかっこいいじゃん!
私、小さい時からヒーロー戦隊とか好きで
闘うのとか好きなんだっ」
「……意味わからないし」
「そんなお兄ちゃんがいるなんて
千愛ちゃんはいいなぁ~」
本当の事を言っているつもりだ。
つもりというか、本当に思っている。
さっきの女の子に教えてもらった時も
名前が似合わないなんて思わなかったし
つるんでて悪いなんて思わなかった。
むしろ仲良くなりたいって心から思った。