「ねえねえっ」
「……何」
「さっきはごめんね、私心夏!」
「……聞いてないし…あっち行って」
あ、あっち行って……!?
幼稚園の時ボス的な存在だった女の子に
言われた時以来だよ……
……でも、まだ負けない!
「千愛ちゃん…だよね?可愛い名前!」
「……教えてないし、可愛くもない」
「ううん、すごい可愛いし似合ってるよ。
千個の愛なんてもらったことないし!」
こう私が言うと千愛ちゃんはゆっくりと
こちらに顔を向け、困ったような
迷惑そうな顔で私を見る。
まつ毛が長くて肌は白くて髪は綺麗で
本当に綺麗な顔をしていた。