「……千愛ちゃん……?」
「……いいよ」
そう言うと千愛ちゃんは立ち上がり、
私の両手をすべすべした千愛ちゃんの手で
包み、ぎゅっと握りしめる。
「あなたとなら…仲良くしてもいいよ…心夏」
「ち、千愛ちゃんっ!!」
「…抱きつくのとかは無理だけど」
「う、うう…」
まだ教室は静かなままで、ただただ
私達を呆然と見つめていた。
『暴力団に入っている人の妹』が
『大人しそうな女の子』に笑っている
この光景を受け入れられずにいるのだろう
「…ほら、始業式行くよ、心夏」
「うんっ!」
こうして、私の1年はスタートした。