「一花?」


心配そうな顔でちーちゃんが覗きこむ。



「うわぁ!!」


急にちーちゃんの顔が前にあって、思わず

びっくりしてしまった。



「うわぁってひどいよ、一花ぁー。」


ちーちゃんが泣いた振りをする。



「ごめん!! そういうつもりはなかった

の!」



「冗談だよ。」

「で、なに考えてたの?」


ほっとする日暇もなく、ちーちゃんが尋ね

る。



「な、なんでもないよ!」



「いや、バレバレだから。」


ちーちゃんは笑ってそう言ったけど、目は

真剣で、ほんとに心配してくれてるのがわ

かった。





「笹原くんってモテるんだね。」


わたしは小さくそう言った。