ーーーーーーーー・・・・・・・翌日


俺は今宵に転校することを伝えるべく、屋上に来てほしいと伝えた。


「賢人君、どうしたの?話って?」


何も知らない今宵は、笑って俺のもとへ来る。


「大事な話があるんだ、今宵。」


真剣な顔してる俺に、今宵は少し怖がっている様子だった。


「今宵、よく聞いて。」


俺は緊張しながらも、ゆっくり話した。


「父さんの仕事の都合で、北海道に引っ越すことになった。」


今宵はそれを聞くと、目を見開いて驚いている。


そりゃそうだろな。


「嘘、だよね?」


俺も最初はそう思った。


けど、違うんだ。


「嘘じゃない。二週間後に引っ越すことになってる。」


「二週間後・・・?」


今にも泣きそうな顔をしてる今宵を見てるのは、どうしょうもなく、胸が痛んだ。


「賢人君と、離れ離れになっちゃうの?」


今宵の目から涙がポロッと流れる。


「嫌だよ!賢人君と、離れたくないよ!」


「・・・っ!」


心臓がズキンと痛んだ。


俺は今宵のもとへ行き、優しく抱き締めた。


「ごめん。ほんと、今宵にこのこと言うか、迷ったんだけど。黙っておくのも嫌だったから。」


「ほんとに、行っちゃうの?」


ごめん、今宵。


でも、行かなくちゃいけないんだ。


「うん。ほんと、ごめん。」


「・・・分かった。」


体が離れて、今宵は泣きながらも真剣な瞳で、俺を見つめた。


「賢人君の家庭の事情を、私がとやかく言う資格はないから、賢人君が帰ってるまで待つよ。」


「待つって、遠距離恋愛になるってことだよ?」


「それでも良いの。賢人君と別れる方がもっと嫌だから、賢人君が帰ってくるまで、いくらでも待つ!」


そう言って笑う今宵は、すごく綺麗で、心臓が大きく高鳴った。


「その代わり・・・」


そう言って今宵は、ほっぺたを膨らませ、俺を見つめる。