ガラガラッ


空母「結愛ちゃん、中に入って。」


え?


空母「今、空輝を救えるのは結愛ちゃんだけだから。」



私は、周りを見た。
みんなが頷いた。


私は、空輝のお母さんの元へ行き、治療室の中へ入った。



私の目の前に空輝がいる。



空父「手を握ってやって。」


空母「うん。」



空輝のお母さんとお父さんに言われ、空輝の手を握った。



強く握った。


「空輝、私ね、強くなったんだよ。
みんなが私を支えてくれたの。
桜嵐や輝神のみんな。時雨や睦月、巳夜さん。
お兄ちゃん、奏くん。あとね、龍月のみんな。」

「隼人、悠良、茅陽。…恭ちゃん。
私の周りにいる人達みんなが私を支えてくれたよ。
私はひとりじゃなかった。」

「空輝が私をここまで連れてきてくれたんだよ。
空輝に出会わなかったら、
私はこんなに強くなれなかった。
今の私を見て欲しい。だから、戻ってきて。」



空輝!




ピクッ



空輝の手が微かに動いた。


私は、空輝のお父さんとお母さんの方を向いた。



空母「空輝!結愛ちゃんをひとりにしといていいの?
いつまでも寝てたら、誰かに取られちゃうわよ!」


空父「そうだぞ!お前を待ってる友達が仲間がいるんだぞ!
結愛ちゃんに辛い思いさせたら、
俺が許さないぞ!」



空輝の手が私の手を握った。
弱い力で、私の手を包んだ。