退院して、次の日に私は溜まり場に来ていた。


溜まり場の空気が重く、嫌な予感がした。



隼「結愛来たか。」



隼人の言葉からみんなが今まで私に向けていた優しい目じゃなく疑っているような目を向けていた。



「うん。」


茅「体調はもう大丈夫?」


「うん…よくなったよ。」



体調を聞いてくれてるけど、何か違った。



茅「それはよかった。」


「どうしたの?空輝のこと?」


悠「なんだ、分かってんじゃん。」



悠良の言い方は私を突き放すかのように心がズキッと痛んだ。



隼「雅。」


雅「結愛に見てほしいものがあるんだ。」



そうやって、私に見せたのは
私が孔雀の総長に抱きしめられている写真だった。



「……なんで。」


隼「なんでって聞きたいのはこっちなんだけどな。」


悠「なんで、裏切ったの?」


茅「お前、率直過ぎる。」


悠「回りくどく聞いても意味ないし。」


「裏切ってない。」


悠「は?じゃあ、この写真は何?」


「それは、助けてもらった時の」


悠「助けてもらう時、抱きしめられるの?」


「それは……でも!信じて!」


茅「信じて?空輝がやられたのに?
お前が手引きでもしたんだろ?」


「違う!海に行こって言ったのは空輝で…」


隼「証拠は?」


「え?」


隼「結愛が裏切ってないっていう証拠。」


「証拠は……ない。」


隼「じゃあ、黒だ。」


「え…。」


隼「空輝がいない今。
ここをまとめるのは副総長の俺だ。
だから、俺たちを裏切ったお前は
ここを出ていってもらう。」


「私は…裏切ってない。」


茅「そう言っても信じれるものがないからねぇ。」


悠「お前だけ助かっていい気になってるんだろ?
空輝がどれだけ今苦しんでるってこと
分かってんのか?」



私がどれだけ言っても、信じてもらえない。
私は雅を見た。
だけど、雅は黙っているけど目は信じていない目だった。

なんでこんなにも苦しいんだろう?

空輝もいない。

信じてもらえない。

私が全部悪いんだ。


ごめんね、みんな。

ごめんね、空輝。



私は涙をこらえ、走ってその場から離れた。