裕翔side



「ママー」



日曜日の朝、そんな声が聞こえて目が覚めた。




隣をみると寝てるはずの大翔がいなかった。




紗凪が寝てる隣に寝るのがほとんどだが、たまに大翔を寝かしつけるつもりが…




大翔の部屋でそのまま寝てしまうこともある…



大翔を探そうとカーテンを開け、部屋を出ようとすると




「マ、ママ…ママがぁぁぁ…」




と今にも泣き出しそうな顔で大翔が部屋に入ってきた。




「大翔、ママがどうした?」



と聞くと俺の手をギュッと握り、大翔は俺を洗面所へ連れて行った。




そこに紗凪はいて眉間にしわを寄せ険しい顔をして1人でブツブツしゃべっていた。



大翔はそれが怖かったんだろう…




もしかして、険しい顔をしていたから紗凪が怒っていると思ったんだろうか…




「紗凪、具合悪いのか?」




「ううん。違う…出来たの」




「え…?」



出来たって…何が?ニキビ?



「裕翔さん、見てこれ!あ、でも壊れてるかな…昨日買ったばっかりだけど。でも、しばらくきてないから…」



とブツブツしゃべっている紗凪が見せたそれには線がくっきり入っていた。




「え、えぇ!あ、えぇ!と、とりあえず明日、病院行って詳しく調べてもらおう!」



俺は1人嬉しさとびっくりとでパニックになっていた。



翌日…



仕事を午後から休みにしてもらい、大翔をお義父さんに預けて紗凪と2人病院にやってきた。




「おめでとうございます!」



と言われ、病院を出てお義父さんに電話をかけたら''良かったじゃないか!''と喜ばれ家に帰ってきた。



俺自身実感がなくて…



でも、病院で渡されたエコー写真にはちゃんと写っているから嘘ではないのだ。