「おいそこボール取られるな何やってんだ!!!!」



___キュッ___



「攻められてねえだろそれ宮田!!!!しっかり攻めろ!!」



___キュッ___



「どこ見てんだ宮田!!!小さなミス多いぞおまえ!!!」



___キュ…



バッシュがこすれる音が響き渡る体育館。



私はいつもの調子が出せずにいた。



気づけば後輩の足を引っ張ってばかりの練習試合となっていて。



「15分休憩!」



大会までもう日がないのに、すっかり自信をなくしてしまった。



「宮田、ちょっとこっちこい」



顧問の新島先生が、私に手招きをする。



すこしだけ眉を寄せていた。



「どうしたんだ宮田。おまえあんなバスケする奴じゃなかっただろ」



視線を足元に落とし、先生の言葉を受け止める。



分かっているから余計悔しい。