「だから言ったろ?」



放課後。



輝とお父さんを昇降口で待っていると、輝が突然口を開いた。



「え?」



「夜がくれば朝がくるように、お母さんは絶対、意識取り戻すって」



見上げる私を見て、輝は微笑む。



「うん…そうだね」



「本当、よかったな」



ガシガシと私の頭をめちゃくちゃにする輝。



こんな輝がいたから、私の今があるんだろうと。



「い、痛い痛いっ」



「お父さんきたぞ雫輝」



輝のその声で顔をあげると、お父さんの車が入ってきた。



「行ってくるね」



「思いっきり泣いてこい」