「って、思うでしょ?先輩だって」



いきなり私を見る伊澄くんに、少しびっくりする。



目が泳いでしまう自分を止めることができない。



「わ、私?」



「輝先輩のこと」



好きなんでしょ?そう言いたげな目をした。




「そ、そんなこと…」



『ない』と言えたらどんなに幸せか。



『ない』ことにできたらどれだけ幸せか。



「ほ、ホテル戻ろっか」



弱虫な私は、そういう雰囲気から早く脱したいと、逃げ道を作ってそれるばかり。



「そっすね」



それた道はまたいずれ、どこかで合流してしまうというのに_____