なんだか、あまりにも遠い世界の人だったんだ……



ぼんやりとテレビ画面を見たら、また彼が映し出された。

主役の鷹峰の部下として、彼をフォローする役割で、クールな鷹峰に対して熱血な新人刑事を演じている。
犯人に対する怒りをあらわしていても、整った容姿は損なわれることなく、その熱い気持ちに同調してしまう。

事件が解決した暁には、にっこりと笑顔をつくるので視線が釘付けになる。華やかなその笑顔を向けられたら、誰もが頬を染めて笑顔を返すことだろう。




「……いい男ね」

「本当。悔しくなる…」

彼がこうしてテレビに出演するまで、どれだけの苦労を重ねてきたのだろう。

アタシだって、自分の出来る範囲で頑張ってきた。だけどそれは、彼と比べたならちっぽけな努力でしかなかったんだと気づく。



それが、彼とアタシの差。