何より。

慶太郎でさえ目を丸めていて。

だけど、その顔は一瞬で笑顔に変わる。


「ヤベェなこれ。祐也そこまでか」


目を細めて笑って祐也に言うと、「ちげぇし」と。
何故か照れた様にそっぽを向いた。

あまり表情を大きく変えない響は、少し軽く息を吐いた後、

「なら慶太郎と行ってくる。黒邪気は、“今は”と言っていたからな。俺たちの成り行きを見てるらしいから。でも無邪気と黒邪気は繋がってる。全部を信じる気はねぇ」

「確かにな」


立ち上がった響に、ミナが考え込む様な仕草をする。

それから10分程みんなで話し合いの後、響と慶太郎が駅前のファミレスに行ってくる、と出て行き……

着いていこうとしていた祐也は止められていて。

「風呂」

と、まるで拗ねた子供みたいにリビングを後にした。