何が分かったんだろう。

雄大の表情から、その考えや感情を読み取ることは、私には不可能だ。

だってこの世で一番の味方だった雄大は、もう居ない。


もしそれが……


「下らねえこと考えてんなよ」

「……何」


考えを巡らせていた時、頭のすぐ上から降ってきた言葉に、思考を停止させて答える。



「あんなのハッタリだ。何も分かっちゃいねぇよ。だから泣くな」


あ。
きっと、この人にも私が今雄大の言葉の意味を考えていた事がお見通しみたい。


その声色は、横になりたいと口にしたのに、全く眠気を感じない。


「響は優しいね」


きっと、私に気を使ったんだ。

だから部屋に半ば無理矢理連れてきたんだろう。

優しいな、コイツ。
私泣いてないよ?