色んな事が納得いかないけど。

しぶしぶ後ろに乗った私は、爆音バイクが向かうまま、黙っていた。


わざと怪我したって。
そんなヤツいるのか?

子供は怪我したら泣いちゃうんだよ?


普段なら通らない道。

祐也の家って言ってたけど。


間もなくして止まったのは、ごく普通の一軒家。

車庫にバイクを止めると、スマホを取り出した祐也。


私はその背中を追って歩きながら、スマホを耳にあてる祐也を見ていた。


「あ、もしもし?麻衣俺の家に連れてきてる。パン屋に矢田が来た。うん、四人」


相手は誰か分からないけど、さっきの事を話してるのが分かり、鳥肌が立つ。


「やっぱりな。響くんなら大丈夫だろ。隼人が今日一人だからやべえかも」


通話状態のまま、家の鍵を開け、私を見ることすらなく、中に入ってく。