きっと、これが“無邪気”の雄大なんだろう。

私の知らない、雄大の世界。


「まあ、今の会話で分かった事がいくつかある。とりあえず今日は帰ろうかな」


ふぅ、と軽く息を吐いた雄大は、そう言葉にすると、支線を響から、私に移す。


「麻衣」

「……っ、」


体が、反応する。


それを見た雄大は、また瞳の色を変えた。


「“約束”守ってるみたいだね」

「……」

「そんな顔しないで?にでも壊したくなる」

「!!」


思わず息を飲む。向けられてる感情が、嘘か本当かすら、今の私に判断できる程の余裕はない。

こんな一言で、私の心を、痛いくらいに掴む雄大は、きっと頭の中なんてお見通しなんだろう。