「は、ははは……」


いやいや。
取って付けた様なお世辞をありがとう、しか言えない。


もはや、乾いた笑い声が虚しいよ。


「私ちょっとお手洗いに……」

「はーい」



裸女に告げて、用具置き場から出た。



でも本当に凄いよなぁ。
有言実行出来るって。

アイツ陸上部に入ればいいのに。
活躍出来そうなのにな。


「……」


そうは思ったけど、真面目に練習する姿が想像できないよ。つか、練習しないであの速さなら……

ちょっぴり祐也を尊敬。


人間1つは自慢できる取り柄があるんだろうな。


人をかき分け、生徒席から出て校舎に向かう。

中に入ると、ヒンヤリと涼しくて。
じんわりかいた汗が気持ち良かった。