なのに、トイレから出た時、話しかけてきた女の子が、あの日以来全く見当たらないんだ。


もしかして違う学校の子?



元々周りを見る方ではない為、こんな時困る。


もし違う学校の子だったとしても、うちの学校の制服着てたし……雄大が私に会う為に、もしかすると、そこまでしたかもしれないと考えれば。

鳥肌が止まらない。



「あの、美咲さん」

「ん~?」


怪しまれない様に。

周りに美舞の面子が居ないときがいい。


普段話すテンションで。

まるで、“今日は暑いですね”なんて。
誰とでも話せる内容なのかってぐらいに。


「最近あんまり家で会わないですよね。忙しいんですか?寂しいんですけど」

少し、おどけてみせた。