「上野麻衣ちゃん。俺らの仲間」
慶太郎の言葉を聞いた男の人は、数秒私の事をじっと見て。
眉間に刻まれた皺は、まるでなかったかの様に、明るく、爽やかな表情を浮かべれば。
カウンターにかけた足を床に下ろし、私に近付く。
「この子か!!悪かったな!怖かった?俺ずっと会いたかったんだよ!」
ーーポン、と。
私の頭に優しく手を置いた。
その行動に、思わず体が反応してしまって。
「あ、ごめんね。怖い?」
「いえ……急で驚いただけです」
先程とは売ってかわって、すごく優しい。
口調も、戻っていて。
見た目通り、爽やかな笑みを浮かべて私に「そっか」と微笑んだ。