中は扉の黒とは違う、明るい店内。

カウンターがあって、席が5つ視界に飛び込んできた。


「喉乾いた~」

まるで我が家に帰って来たかの様な素振りの慶太郎は、カウンター横にある扉に手をかけたかと思うと……

その中に入り、姿が消えた。

ーー数秒後、カウンター内に現れ、この扉はカウンターに繋がってるんだと想像できた。


「オレンジでいい?」

「わ、私?」

「他に居ないじゃん」


そりゃそうだけどさ。

当たり前にコップが何処にあるか知ってるらしく、恐らくカウンター下から出した氷をコップに入れて、サーバーからオレンジジュースが注がれた。


「はい」


そして。
カウンターテーブルに置かれたオレンジジュース。