「使わねえよ。お前にだろ?」

「うん」

「俺が思った事をしてるだけだ。気使う相手と居れば疲れるじゃねえか」


確かに。
人に対して気を使うタイプには、その口ぶりからして思わないけれども。

まあ、それも、優しさか。


クスリと笑い、目を伏せる。




「そうやって、笑ってろよ」



響の言葉に、響の胸に向けていた目を思わず見開いた。

ドキン……――胸が。不謹慎にも高鳴ってしまう。


何だか急に全身に汗が、ワッと吹き出したような。
毛穴か開いたような。

変な感じだ。


さっきまでなんてことなかった腕枕も、急に響に触れている部分が熱くなるんじゃないかって。
錯覚さえ起きそうになる。