腕を押すのをやめて窓の外を見る。

「あ」

蓮よりももっとマヌケな声がでた。

塁先輩はたくさんの友達に囲まれていた。

楽しそうに笑いあってる。

「今日で最後だよ?」

蓮があたしの顔を覗き込む。

あたしは知らないうちに、蓮のワイシャツの袖を握ってたみたい。

蓮があたしの手をとる。

あたしは蓮のその手を振り払った。

「別にいいの」

あたしは誰もいない静かな廊下を走り抜ける。

いい訳ないじゃん…。

とりあえず、今はひとりになりたい。



向かった先は、屋上。